10月14日
今日は愛しい王子様のお誕生日。

お姫様の誕生日の『お茶会』ほどじゃないけれど
今年は仲良しの皆を集めてお祝いするの。

写真家さんや郵便屋さんはもちろん、
草の国から妹さんも。

だけどこれは、王子様にはまだないしょ。
あと20分後に、ビックリした顔を見たいでしょ？

お食事やお部屋の準備は
おさげさんとベリーさんに任せておいて。
さあ私は、のん気な主役のお洋服でも見立てに行こうかしら

「王子様ー？…って何その格好」

いつもならマトモにお洋服も着てくれない人なのに
どういうわけかスーツを着ようとしてるわよ

「え？ああ、ちょっとこれやってくれない？」

できないくせにネクタイまで締めようとしてる。
はいはいってやってあげる途中、…あれ？

「ねえ、どうしてスーツなの？」

「…君からケーキのにおいがするから、かな？」

「…知ってたの？」

バースデーケーキだけは、彼の好きな苺のケーキをわたしが焼いたの。

「さーあ、ねえ？…あ、これあげるよ」

彼が差し出したのはおっきなお花。
わたしの結んだ髪を解いて、左右に並べてつけるの。

「うん、こっちのが美人。5つ年下とは思えないね。」

「王子様、」

「んー？」

「23歳、おめでとう」

なんだかオトナな彼に、ちょっぴり悔しい気持ちになっちゃったけれど。
今日のケーキでは、ぎゃふんと言わせてやるんだから。

「ほらおいで？みんな待ってるんでしょ？」

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作成者	easter
作成日	2011年11月12日 10:40

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