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或る時々に暮らした場所や、人々との繋がりや縁を結んだ場所で植物を採取し、ガラスに封入するという独自の手法を用いて、場所、空間、時間といった自らの記憶をその植物に託す。

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佐々木類個展「不在の記憶」

【画像キャプション:メインビジュアル】
佐々木類は、ガラスを素材に記憶と存在の本質を探求している。或る時々に暮らした場所や、人々との繋がりや縁を結んだ場所で植物を採取し、ガラスに封入するという独自の手法を用いて、場所、空間、時間といった自らの記憶をその植物に託す。植物は灰になり、封印されて残り、見るたびに過去の出来事や感情との関係に向き合うことになる。現代美術における「不在」や「記憶」のテーマを扱う数多くの作家の中でも、佐々木のアプローチはひときわ繊細である。 光を透過して静かに佇む作品群は、存在と非存在の境界を探りあて、個人と集団の経験を再考する手段ともなっている。人生におけるさまざまな経験と「記憶」という普遍的なテーマを融合させ、環境との密接な関わりと素材・技法の選択の連関が合致している点で秀逸である。植物以外にも、普段は気に留めることのない部屋の隅を象り、物質的な痕跡とするなど、「不在の記憶」というテーマを通じて、記憶と存在の本質に迫る多層的な解釈を可能にしている。展覧会の冒頭に象徴的に配置された《The Corner》は、建物の隅にアルジネートを詰めて建物の「隅」を型に取り、それにガラスを鋳込んで成形したもので、空き家の部屋の「隅」がガラスの塊に変じて静かに佇む。「隅」はその空間的特徴から、孤立や周縁といった多様な概念の比喩でもあるが、翻って、東京という特異な都市の全体は、こうした埋没しがちなささやかな存在の集積ともいえる。ガラスに封印されて永遠の命を与えられた植物も、都会の「隅」に生きる周縁化された存在だ。今回は佐々木が都心で植物採取を行ったというが、髪の毛やダウンの綿毛が付着しているなど、植物にも人間の痕跡が残っていると感じたという。制作過程でもコンクリートの割れ目から生えた植物は繊維が弱く、水泡が多いために焼成の過程で割れたガラスも多かったようだ。
空間にせよ、植物にせよ、見えない過去の記憶が作品として顕在化するのは、その存在が失われた後であり、永遠に「不在」となった存在を現在に繋ぎ留める行為が作品として残る。「不在の記憶」とは、或る時、或る場所に関わる人々の間で共有される記憶の本質とは何かという問いでもあるのだろう。

開催日 2025年02月14日~2025年03月08日
会場 WALL_alternative
会場住所 東京都港区西麻布4-2-4 1F 地図
地域 東京 / 港区・文京区(六本木など)
入場料 無料
営業時間 18:00-24:00 
イベントURL https://avex.jp/wall/exhibition/484/
東京都港区西麻布4-2-4 1F
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