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数十年にわたって高知の仁淀川という限定的な地域の中で水系というテーマで深く掘り下げ、ネイチャーフォトの枠を超え、人々や生物の営みまで表現している。このハイクオリティーな写真の世界が凝縮された作品群に対して。

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第6回「笹本恒子写真賞」受賞記念展 高橋 宣之写真展 「神々の水系」

「神々の水系」について

私が写真家を目指した最初のテーマが「海」であった。来る日も来る日も、海岸に出ては押し寄せる波頭を追っていた。逆風に向かって立ち上がる三角波も、岩場についえる怒涛の音も、水平線に落ちる稲妻の光も好きだった。あのころを思い出すと、さまざまな海景のシーンが脳裏に浮かぶ。そんな時代が15年ほど続いただろうか、私は突然、海に背を向けてはるかな山脈を目指して川をさかのぼるようになる。海に流れ込む淡水の姿に興味を持ち始めたからである。そして、無限に変貌する水の姿に感動し、清冽な水に心を奪われるようになっていった。美しい水を求めると行き着く先はいつも決まって深い原生林であった。そこには無限に広がる生き物の不思議さがあり、到底撮り尽くすことのできない森羅万象の世界が待ち構えていたのである。私は自然に対する畏怖の念を抱きながら山川の中をさまよっていた。それが今も続いている。

海や川を撮影しながら、はや50年近くの歳月が流れてしまった。ふりかえると私の人生のほとんどは水と共にあったといっても過言ではない。近年は川の上流域に散在する原郷の風景や、そこにかろうじて息づいている清貧の神々にもレンズを向けている。(高橋 宣之)

(出展枚数/カラー作品30枚~40枚ほど)



高知県に生まれ育った高橋宣之さんは、四国山脈を源とする水系、わけても仁淀川と、土佐湾に流れ入った後の水の営みである波の現象を、卓越した映像表現により撮り続けてきた写真家である。じつは同じ高知県出身の私(野町)とは同世代であるが、私が、海外のどちらかといえば辺境地域の民族文化や自然をテーマとして広く歩いてきた一方で、郷里には全く目を向けようとしなかったのとは対極的な取り組み方であることを、このたびの笹本恒子写真賞選考会であらためて気づかされた次第であった。

高橋さんのライフワークは、2022年にキヤノンギャラリーSで開催した写真展と、同時刊行された限定版写真集『神々の水系』に結実している。水にまつわる森羅万象に眼差しを注ぎ、しかも繰り返し、執拗に見つめ、観察することによって、自然界が一瞬に見せる希有の表象をすかさず切り取って一枚の写真に定着している。どの一枚を取っても、現象と向き合った作者の息遣いと、透徹したまなざしが結実した完成度の高さを見せつけられる思いだ。

そして自然を凝視する眼差しから一歩引いた穏やかさで向き合った、風土や祭りの写真も収められている。透徹した水の流れと相まって、過疎の地であることによって、現代の急速な変化や環境汚染がもたらされることもなく、その緩やかな空気感の中にこそ受け継がれてきた、本当の豊かさとはなんだろうかという思いを抱かせてくれる卓越したライフワークである。(野町和嘉 講評より)

開催日 2023年12月21日~2023年12月27日
会場 アイデムフォトギャラリー[シリウス]
会場住所 新宿区新宿1-4-10 アイデム本社ビル2F 地図
地域 東京 / 渋谷区・新宿区(表参道・青山など)
入場料 無料
営業時間 10:00~18:00(最終日は15:00まで)
休館日:日曜日
新宿区新宿1-4-10 アイデム本社ビル2F

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