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4年ぶりの個展です。

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大小島真木 個展「私ではなく、私ではなくもなく"not〈 I 〉, not not〈 I 〉 "」

【アーティストコメント】

私ではなく、私ではなくもなく

"not〈 I 〉, not not〈 I 〉 "



大小島真木



文化人類学者のレーン・ウィラースレフは著書『ソウルハンターズ』において、北方の先住民ユカギールの民が、エルクと呼ばれるヘラジカを狩猟する際に行う、ある風習について記述している。



ウィラースレフによれば、ユカギールのハンターはまず夢の中でエルクと性交渉を取り結ぶ。さらにエルク革のコートを纏い、エルクの動きを巧妙に模倣することで、エルクそのものになりきっていく。そうすることで、彼らは実際の狩りの場において、エルクの群れに接近することができるようになると言われている。



ウィラースレフはこのプロセスを「ミメーシス(模倣)」と呼んでいる。またウィラースレフはこの時のユカギールの状態を、「動物ではないが、動物ではなくもない」と言いあらわしている。



ユカギールの世界において、身体という容器を満たしているのは、ソウルだ。狩猟行為において、ユカギールは捕獲対象であるエルクと、そのソウルを介して交感する。ソウルはまた一箇所に留まり続けているものでもない。それは私たちの身体を満たしている細胞と同じように、絶えず流動しながら、複数の身体のあいだ――人間とエルクのあいだを、往来し続けている。



私が〈私〉だと感じているものもまた、絶えず移ろいつづけているソウルの大河に生じた、束の間の澱みのようなものだろう。その澱みであるところの〈私〉が存続していくためにはしかし、その澱みはただちに解消され、再び流れだしていかなければならない。細胞が絶え間なく流動を続け、部分が活発に入れ替わることで、全体としての恒常性が維持される。生物学者の福岡伸一によれば、この「動的平衡」こそが、生命体が「生きている」という状態である。



〈私〉が〈私〉としてありつづけるためには、〈私〉は〈私〉でありつづけることを諦めなければならない。すると、その時の〈私〉とは一体、何者なのだろうか。



それはきっと〈私〉ではない。



そしてまた〈私〉ではなくもない。

開催日 2023年09月30日~2023年10月22日
会場 HARUKAITO by island
会場住所 東京都渋谷区神宮前6-12-9 BLOCK HOUSE 2F 地図
地域 東京 / 渋谷区・新宿区(表参道・青山など)
入場料 無料
営業時間 13:00〜19:00 (※月、火、水 休廊)
東京都渋谷区神宮前6-12-9 BLOCK HOUSE 2F

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