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ほとばしるかたち
─────原研哉

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鎌村和貴「光の彼方」展

素晴らしい書の才能である。「書」が毛筆を用いて紙の上に言葉を記す表現だとすると、鎌村和貴のクリエーションはもはやそこに拘泥しないという点で書を超えているかもしれない。もちろん、鎌村和貴の生み出すものが書であるかどうかはもはやどうでもいいことかもしれないのだが。
鎌村和貴は、大東文化大学の書道科を卒業したのち、武蔵野美術大学大学院・基礎デザインコースの院生として僕のゼミに2年間在籍した。この時代には、書に本気で向き合っている風もなかったが、卒業制作では10メートル四方の巨大な紙に、威勢よく文字を吐き出したような作品を制作した。正直に言って、この時の作品からは彼の力量を測りかねたが、卒業制作として書を選んだことは印象的であった。
就職活動のために、鎌村はポスターのような一連のグラフィック作品を素早く制作していたが、こちらの方は特に何も教えていないにもかかわらず、冴えのある資質を発揮していた。しかし資生堂にすんなり受かったと報告されたときにはいささか驚いた。デザインの才能もしたたかな水準にあることの査証である。
現在はフリーの作家として制作を続けているようだが、作品を散見するに、書においては、かつての井上有一のような独自のポジションを既に獲得しつつあるように感じる。最近は山に入って、樹々のオーラに囲まれて制作しているらしく、生み出す図像は、書というより自然の生命力やオーラが鎌村和貴の身体を通して顕現したかのような自由闊達なかたちの数々である。
近年、僕は米や酒のデザインに、鎌村和貴の作品を使わせてもらっている。当初は「サキホコレ」という秋田の米であった。直近では「ZAKIMI」という高価格帯の泡盛、そして現在はワインラベルにこれを使わせてもらいたいと計画している。デザイナーの立場から見ていて、その才能のほとばしりは瞠目に値する。

展覧会を重ねるごとに、この稀有な才能はさらに輝きを増して、より多くの人々を魅了することだろう。そしてこの才能が、経験や年齢を重ねるごとに、さらに大きく成熟していくことを期待してやまない。                         (2022年6月11日)

開催日 2022年06月25日~2022年07月18日
会場 六本木蔦屋書店 2F BOOK GALLERY
会場住所 東京都港区六本木6-11-1 六本木ヒルズ 六本木けやき坂通り 地図
地域 東京 / 港区・文京区(六本木など)
営業時間 時間 当面の間11:00~20:00 ※予告なく変更の可能性あり
東京都港区六本木6-11-1 六本木ヒルズ 六本木けやき坂通り
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