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本展はひとりのコレクターが妻と共に歩み、作品と作家そして多くの人々や社会と響き合ってきた姿の軌跡です。

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「須藤一郎と世界一小さい美術館ものがたり」展

 須藤一郎(1936- )は画家・菅創吉作品との出会いが天啓となり現代美術に目覚めたコレクターです。40代後半から収集を開始し、菅創吉をはじめ猪熊弦一郎、難波田龍起、大沢昌助、星崎孝之助、若林奮らの作品を精力的にコレクションに加えていきました。その珠玉のコレクションもさることながら、このコレクターを物語る側面として、一人の会社員として職務を全うしつつ、その生業で得た糧をもとに作品を収集したことは特筆すべきでしょう。
 加えて須藤の活動を際立たせている事象があります。手元に満ちてきた作品群は抗し難い力で心を引き込み、その魅力を分かち合う場として自宅を美術館として開放したのでした。1990 年の「すどう美術館」誕生です。本展タイトルにある「世界一小さい美術館」とは東京・町田に構えた個人宅であり公開施設となった「すどう美術館」の別称として須藤が与えたもので、この小さな美術館は「サラリーマンが美術館を開いた」とマスコミでも話題となりました。運営は、妻・紀子(2020年1月逝去)との二人三脚。共に収集・公開を精力的に展開させていきます。
 やがて須藤の思いは若手画家の公募展や留学制度、アーティスト・イン・レジデンス等の作家支援、そして東日本大震災の被災地等で継続する芸術による社会活動へと拡充し、作家や支援者そして行政をも動かす活動となっていきました。
 作品収集や美術館の域を超えた様々な活動を経て、須藤は「絵よりもっと大事なのは人間との関係」と言います。「すどう美術館」開館から今年で30 年、須藤そして「すどう美術館」の営みは作品・作家との共振であり芸術の力を信じた心の旅だったと言えるでしょう。館長たる須藤が62歳で会社退職後に銀座へ進出したのち、神奈川・小田原を拠点にする今もそれは続いています。
 本展はひとりのコレクターが妻と共に歩み、作品と作家そして多くの人々や社会と響き合ってきた姿の軌跡です。須藤が「真剣勝負」で私財を投じたコレクションと同時にアートに込めた信念の活動をお伝えしたく存じます。この困難の時代、人の心を動かし人を繋ぐ芸術の力、そして芸術との出会いによって紡がれた豊かな「ものがたり」をお届けできましたら、それに勝る喜びはありません。

開催日 2020年10月10日~2020年12月06日
会場 多摩美術大学美術館
会場住所 東京都多摩市落合1-33-1 地図
地域 東京 / 未定義
入場料 一般300円(200円)
※( )は20名以上の団体料金
※障がい者および付添者、学生以下は無料
営業時間 10:00 ~17:00(入館は16:30 まで)
休館日:火曜日(但し、11月3日は開館、11月4日は休館)
イベントURL https://www.tamabi.ac.jp/museum/default.htm
東京都多摩市落合1-33-1

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