ブルーノ・ムナーリ展　—絵本と遊具—　アートの隠れた力の探求者

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カテゴリ: 個展・グループ展・展示会; イラスト・絵本

第3回目のムナーリ展では、
《文字と同じようにアートを構成する線、色彩、形などの視覚的な要素も十分に意味を伝える力があると考えた》ブルーノ・ムナーリの造形思考を「絵本」や「遊具」を媒介にして、わかりやすく伝えようと試みました。

編集者	NPO法人　市民の芸術活動推進委員会（CCAA)
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ブルーノ・ムナーリ展
—絵本と遊具— 　アートの隠れた力の探求者

　日本では、ムナーリ（1907-98）は、『たんじょうびのおくりもの』
『きりのなかのサーカス』『木をかこう』などの絵本作家としてよく知られています。
　しかし、ムナーリが、文字と同様にアートも伝達力があることを研究したことは、あまり知られていません。
　いくら言葉を尽くしてもある人物の容貌を的確に伝えることは難しいけれど、写真やイラストで表現すれば一目瞭然です。
時には、事物を言葉で伝えるよりも視覚的な要素で構成された図像などで伝えた方が効果的なのです。
視覚的な要素は言葉の運べる容量を遥かに超えて事物を伝えることができる場合もあるということなのです。
　ムナーリは、視覚的要素で成り立つ美術作品がときとして言葉より雄弁であることを見いだして、
言語だけに偏重しているコミュニケーションを考え直そうとしたのです。
　そこで、第3回目のムナーリ展では、
《文字と同じようにアートを構成する線、色彩、形などの視覚的な要素も十分に意味を伝える力があると考えた》
ブルーノ・ムナーリの造形思考を「絵本」や「遊具」を媒介にして、わかりやすく伝えようと試みました。
　ムナーリが言葉のかわりにヴィジュアルな要素によって表現しようとした仕
事の萌芽は、1945年に発表された10冊の絵本のプロジェクトに見ることができます。
その中でも『たんじょうびのおくりもの』では、視覚的な要素が言葉の伝達性をしのいでいることがよくわかる作品です。
たとえば、この絵本の終りの数頁にわたって、沈んでいく太陽が何気なく描かれていますが、そこには時を表す時計はなく、
夕日の大きさと、刻々と変化してゆく赤い色彩の差異によって時間の推移が表されているのです。
　線、形、色彩などの造形美術の要素を巧みに駆使して、ムナーリは表現の可能性を探求しました。
この「視覚的な要素によって意思の疎通をはかる」という着想を、子どもの感性の教育の領域で本格的に発展させてゆくのは、
1970年代の中頃からであり、教育者、ジョバンニ・ベルグラーノの協力により、後年の「誘発的な造形教育」の具体的な方法、
たとえば太陽の位置によって時間の推移を理解するカード遊び、
青い色から熟した赤い色へ変化してゆく果物によってゆったりした長い時間の経過を知らせるカード遊びなど、
無理なく子どもの感性を育むさまざまな遊具の開発へとつながっていきました。

2016年2月

主　催：NPO法人市民の芸術活動推進委員会　　日本ブルーノ・ムナーリ協会

開催日	2016年02月20日 13:00～2016年05月08日 18:00
会場	CCAAアートプラザ地下一階　ギャラリーフレンド
会場住所	東京都新宿区四谷４−２０CCAAアートプラザ地図
地域	東京 / 渋谷区・新宿区（表参道・青山など）
アクセス	東京メトロ丸ノ内線　四谷三丁目駅より徒歩5分都営地下鉄新宿線　曙橋駅より徒歩7分 ※駐車場はありません。
入場料	入館料：大人300円（小学生以上）　　　　親子500円（子ども３歳以上）
営業時間	開　館：平　　　日／午後 1時−午後6時　　　　土・日・祝／午前10時−午後6時休　館：木曜日