ハラ ドキュメンツ9 安藤正子―おへその庭
2012年7月12日(木) ~2012年8月19日(日)
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<原美術館>
卓越した画力を持つ寡作の若手作家、安藤正子の美術館における初個展。現実と非現実の間で「絵」になる瞬間を模索し、こつこつと描きためた絵画17点を一挙公開。図版では伝わりきらない安藤絵画の魅力、そこに息づく生き物たちの芳醇な物語世界を、実際に見て体験してください。
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イベントDATA
磁器のようにつるりとした肌合いの画面に描かれた子ども、動物や草花。繊細な描線、幾重にも塗り重ねた色彩と視線が吸い込まれるような奥行き。卓越した画力を持つ寡作の若手作家、安藤正子の美術館における初個展。現実と非現実の間で「絵」になる瞬間を模索し、こつこつと描きためた絵画17点を一挙公開。図版では伝わりきらない安藤絵画の魅力、そこに息づく生き物たちの芳醇な物語世界を、実際に見て体験してください。
愛知県に生まれ育った安藤正子(あんどう まさこ、1976年-)は、国際的に活躍する奈良美智や杉戸洋なども師事した櫃田伸也(ひつだ のぶや)の下、時代の波やスピードに流されず、自らの感覚を信じて絵画制作に注力してきました。自身の中に蓄積する記憶や言葉の断片と現実の事象とを織り交ぜながら、徐々に絵画のイメージを育てるという安藤。その悠長なペースゆえ、これまでに発表した作品は10点ほどで、開催した展覧会はグループ展を合わせてもわずか3回。今回はもちろん美術館として初めての個展となりますし、2004年の画廊での個展以来、こつこつと描きためてきた未発表作品12点を含む17点を鑑賞できる稀有な機会となります。
安藤の作品は鉛筆画と油彩画。様々な素材・技法を試みる作家が全盛の現代に、絵画のみで潔く表現しています。どちらもモチーフは子供や動物、昆虫、草花などの“生き物”。それらが溢れる画面は、ひと目見ただけでは全てを把握することができません。隅々まで細かく観察することによって、生き物の精緻な描写に驚嘆し、色彩の繊細さに感嘆します。生き物はいずれも同じだけの集中力をもって丹念に描かれ、彼女にとってこの世の全ての存在が等価であることを物語ります。
鉛筆画は、安藤が「自分の感情とやり取りしやすい」と語るように、指先から溢れ出るイメージをそのまま画面に定着させています。一方油彩画は、鉛筆画を基に、不透明色の描写と透明色のグレーズ*を繰り返しながら色彩のイメージと対話します。また、絵具を置いてはその都度、筆や手の平で薄く叩き伸ばし、紙やすりで磨くことによって、まるで磁器のように滑らかな表面に仕上げます。卓越した描写力によって表されたモチーフの質感には目を見張る現実感がありますが、表面が磨かれることで作家の手の痕跡や絵具の物質としての生々しさが消え、鏡の中のような実体のない虚構性も感じられます。現実と非現実の間で「絵」になる瞬間を手探りする――それが安藤の油彩画です。
本展の展覧会名は、出品作品名でもある「おへその庭」。そこに安藤は「何か生まれてくるものが漂う場」という意味を込めています。かつては私邸として、現在は美術館として多くの人々の記憶が沈殿し、小さな生き物たちや草木が庭に息づく原美術館と安藤の絵画が出会う時、そこには何が生まれ漂うのでしょうか。絵画は単なる図像ではなく、そこに描かれた世界へ鑑賞者を引き込み、「体験」させる力を持っていることを感じていただけることでしょう。 * グレーズ: 伝統的な西洋絵画の技法のひとつ。薄く溶いた透明な絵具を塗り重ね、光沢と深みを出す技法。
*掲載画像について
「おへその庭」
2010年
パネル張りカンヴァスに油彩 190×140cm
©Masako Ando Courtesy of Tomio Koyama Gallery
開催日 | 2012年07月12日~2012年08月19日 |
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会場 | 原美術館 |
会場住所 | 東京都品川区北品川4-7-25 地図 |
地域 | 東京 / 世田谷区・目黒区・品川区・大田区(下北沢・自由が丘など) |
アクセス | JR「品川駅」高輪口より徒歩15 分/タクシー5 分 都営バス「反96」系統「御殿山」停留所下車、徒歩3 分。 |
入場料 | 一般1,000円、大高生700円、小中生500円 原美術館メンバーは無料、学期中の土曜日は小中高生の入館無料 20名以上の団体は1人100円引 |
営業時間 | 11:00 am-5:00 pm (水曜は8:00 pmまで/入館は閉館時刻の30分前まで) 休館日 月曜日(祝日にあたる7月16日は開館)、7月17日 |
イベントURL | http://www.haramuseum.or.jp |
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