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イベント訪問レポート
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堂本印象
日本画
名古屋松坂屋
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名古屋松坂屋で開催中の日本画家 堂本印象展に行ってきました。

画像は年代は前後してますが全て堂本印象の作品です。

・・・どうです?同じ人が描いたとは、言われなければ分からないでしょう?


私の堂本印象の記憶といえば、初期のもうろうとぼかされた繊細で正統的な日本画でした。

それも、テレビの鑑定団かなんかでチラっと見たような記憶。

美術館ではあまりお目にかかった記憶が無いのでした。


今回、年代順に堂本印象の作品を追っていき、また地元の京都のお寺には本当に沢山の障壁画や天井画(東京の浅草寺にも)が有ると知り、しかも、どれもが抽象だったり、仏様の絵だったり、花鳥画だったり、本当にオールマイティで、なんでもできる芸術力の高いアーティストなんだと理解が深まりました。


画像のセピア色の深草という作品は、帝展に初入選した絵だそうですが、この初入選の絵で、同じような様式の絵画は極めているのでは、と天才ぶりに驚きました。

それを本人も自覚していたのでしょう。
どんどんと画風を変えて自らにチャレンジしていく画家人生を歩むことになります。


展覧会ではこの他に、イソップ物語を日本を舞台に置き換えた絵巻物がありました。
文字も絵も印象が描いていて、子供向け絵本というよりも大人の為の寓話絵巻というような仕上がりでした。


1920年代、30年代の仏画、花鳥画を経て、戦後は日本画は国粋主義で良くないという風潮を受け日本画家全体が違う表現方法を模索したのだそうです。印象は次第に抽象画を描くように。
抽象画でも、繊細な描き込みとぼかしと清々しい色つかいは変わらず、内側から光り輝いてるような画面です。


そして、このおもいきりの良い抽象画が海外ヨーロッパでも高く評価されて個展も成功、日本でも文化勲章を受け、自分自身で、自分の作品の為に美術館を作ってしまったそうです。


この美術館は外壁のレリーフデザイン、ドアノブ、椅子まで全部自分自身で作ったという話でした。

本当にすごい作家です。

堂本印象美術館は金閣寺のすぐ近くにあるそうです。
いつか京都で行って観たいものです。

自分の美術館を持ってるので、多数の作品はそこに収蔵されており、私は堂本印象作品を他の美術館で観ることが少なかったのでした!


日本の画家としてはもっとも大成功した一人だといえるでしょう。
ただ、私の感想としては、余りにも画風が変わりすぎたことで、どれが代表作かわかりにくい状態になってしまい、画風も美しいけど線の細さで「印象」が弱くなってしまった気もします。溢れる才能が少し勿体無かった気がします。


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