人生には様々な出会いがある。

人生100年と言われる時代になった今、働き方も多様化し、様々な年齢層が複雑に折り合う社会となった。

ITの進化により私達は、よりよい生活をするための選択肢を自分で選べるようになった一方で何処か複雑化した社会変容に疲弊している。

私もその一人であるが、自身の未熟さ故に心が折れそうな時その支えとなるのはこれまで出会ってきた方々である。

最近は新型コロナウィルスの影響もあり人流、人との接触自体を回避せざるを得ない状況が続くが、離れて初めて気づく有難さを感じることも増えた気がする。

偶然書道道具を見つけ幼心にときめきを感じて始めた習字が今思えば書の世界に入るきっかけではあったが

ここまで長く続けてこれたのも今は亡き師匠、師匠（亡き師匠の奥様）や同門の先輩や仲間、書友が居たからだ。

また幼少期より病弱だった私はお医者様との出会いも人より多かった気がする。

直近の主治医様の後ろ姿からは多くの事を学んだだけではなく、気づけば先生の存在自体が窮屈な生活の中で心の拠り所となっていた。離れた今は思い出すたびに涙が伝う、そのくらいの重度のロス症状である。

書は孤高の芸術ではあるが、いま、こうして筆を持ち古典を学び続ける事が出来るのは、到底私一人で出来たことではないと感じている。

年金を受給するくらいの長生きは出来ないと思うが、筆を持ちながら絶命したい。それが私の理想である。